【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。
寺巻は俺と舞美絵のやり取りをこっそりと見ていたようで、ニヤニヤしていた。
「……お前、勝手に見たのかよ」
「いいじゃん、固いこと言うなよ。 俺たち、相棒だろ?」
「……お前なあ」
寺巻はそんな俺を見て「四之宮って、奥さんのどこが好きなの?」と興味ありげに聞いてくる。
「お前に話す義理はない」
「いいじゃん、そのくらい教えてくれてもさ」
「……お前、ニヤニヤしすぎ」
俺の妻の話がそんなに聞きたいのか、顔がニヤついている。
「なあ、今度お前ん家遊びに行っていい?」
「はあ? ふざけんな。絶対に来るな」
コイツを家になんて上げたら、舞美絵に何を言うかわからねえ。
「奥さん紹介してよ、相棒なんだから」
「それとこれは関係ないだろ。 相棒だから紹介しないとイケないというルールは、ないからな」
コイツに舞美絵を紹介なんてしたら、舞美絵を困らせる気がする。
「本当にケチだね、四之宮は」
「ケチで結構だ。 お前に紹介する必要なんてない」
「まーたそんなこと言ってー」
寺巻はそんな俺を心配してるのか、真剣な顔になり「奥さん、お前がマトリだってこと知ってるのか?」と聞いてくる。
「ああ、もちろん知ってる」
「お前にはさ、大切な人がいるんだ。……絶対に、死ねないな」
「……ああ」
寺巻の言うとおりだ。 俺は麻薬取締官であるが故に、危険を伴う仕事している。
いつか命の危機が訪れることもあるだろう。
「俺は舞美絵と約束したんだ。……絶対に死なない、舞美絵を守ると約束したんだ」
「じゃあ、頑張らないとな、この仕事」
「ああ、そうだな」
俺は舞美絵のために生きる。 舞美絵の笑顔を守るために、生きるんだ。