【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。
「悪い、寺巻。後任せていいか? 今日、もう帰らないとだから」
舞美絵が俺の帰りを待ってるんだ、早く帰らないと。
「奥さんが待ってるんだろ? 早く帰ってやれ」
「ありがとう。 じゃあ、お疲れ」
カバンを手に席を立つ俺に、寺巻は「はいはーい。 奥さんと仲良くねー」とニヤニヤしながら俺に手を振る。
「お前は一言いつも余計なんだよ」
「お疲れー」
俺はみんなに「お先失礼します」と伝え、家へと向かった。
✱ ✱ ✱
「ただいま」
玄関を開けて家に入ると、舞美絵が「あ、賢哉さん、おかえりなさい。 お仕事、お疲れ様でした」と出迎えてくれる。
「……舞美絵、ありがとう」
俺はそのまま、舞美絵の身体をギュッと抱き締める。
「あの、賢哉さん?」
「……寂しい思い、させてごめん」
結婚したばかりなのに、こんなに数日家を離れるだけで、舞美絵に寂しい思いをさせているのではないかと思ってしまう。
「いえ。ちゃんと帰ってきてくれましたから、もう大丈夫です」
舞美絵は俺にそう言ってくれるから、俺は「そっか」と舞美絵の頭を撫でる。
「思ったより早かったなって、思いました。 もう少し張り込み捜査かかるのかなって、思ってたので」
「そっか。 じゃあ良かった」
舞美絵は「夕食もう少しで出来るので、良かったら先にお風呂でもどうぞ」と言ってくれた。
「……じゃあ、そうしようかな」
「はい。 湯船沸かしてあるので、ちゃんと湯船に浸かって身体を休めてくださいね」
「ありがとう」
俺は一旦寝室へと行き、服を着替える。
ふと舞美絵の後ろ姿を見ると、舞美絵の料理をしている姿が見えて、それだけで嬉しくなる。
「風呂、入ってくる」
「はい」