【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。
□寂しさを埋めるもの
妻としての役目
数日ぶりに帰ってきた賢哉さんは、私の料理を美味しいとたくさん食べてくれた。
賢哉さんが好きだと言う鶏の照り焼きも作ったら、めちゃくちゃ喜んでくれた。
数日家にいなかっただけで、この家の広さをより感じた。 一人だと持て余すと賢哉さんは前に言っていたけど、確かにそうだなと思った。
一人でこの家にいると広いから、過ごし方がわからない。
でも賢哉さんがいると、やっぱり空気も潤う気がする。 なんとなく、温かい空気になって優しい気持ちになる。
「舞美絵、髪乾かした?」
「はい」
「じゃあ……こっち来て」
賢哉さんに手を引かれ、ソファに座らせられる。
「賢哉さん、どうしたんですか?」
「これ、取ってきた」
賢哉さんはカバンから小さな箱を取り出す。
「はい、結婚指輪」
「え……? 取って来てくださったんですか?」
「さっき、帰りにね」
指輪のサイズ直してもらっていたけど、出来たんだ。
「嵌めても、いいか?」
「はい」
指輪を箱から取り出した賢哉さんは、私の左手の薬指にそっと結婚指輪を嵌めてくれた。
「……やっぱり、キレイですね」
「よく似合ってる」
「サイズ、これならピッタリです」
この前みたいに抜けないし、緩くもない。
「……良かった。ピッタリになった」
「ありがとうございます」
賢哉さんは「舞美絵、寂しい思いさせてごめん」と抱き締めてくれる。
「いえ、気にしないでください。 お仕事、大変ですし」
「寂しかったら、寂しいって言っていいんだからな」
賢哉さんがそう言ってくれるから、私もつい「はい。本当に寂しかったら、ちゃんとそう言いますね」と伝えた。
「舞美絵……好きだよ」