【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。

 賢哉さんは私のおでこに、ちゅっとキスを落とす。

「……私も、あなたが好きです」

 私はもう、賢哉さんという人柄に惹かれている。

 すると賢哉さんは、私の髪の毛にも優しくキスを落とす。

「舞美絵、やっぱりかわいいね」

「……嬉しいです」

 賢哉さんはいつもおでこにいつもキスしてくれるんだけど、おでこや髪の毛だけだとちょっと物足りないなと感じてしまう。
 そう思いながら賢哉さんのことをジッと見つめていると、賢哉さんが「その顔……もしかして唇にキスしてほしかった?」と意地悪そうな顔を見せる。

「えっ」

 え、バレちゃった……?

「わかりやすいね、舞美絵は」
 
「え……?」

「でもそういうところが、かわいいよ」

「賢哉……さん」

 賢哉さんが私の頬に手を伸ばして、優しく包み込むように私の唇にキスを落とす。

「ん……んっ」

 賢哉さんとのキス……素直に嬉しい。

「顔赤いね、舞美絵」

「……だって、嬉しいですもん」

「それは嬉しいな」

 私は賢哉さんの身体に抱き着き、顔を埋める。

「舞美絵? どうした?」

「なんか……もう少しこのままでいたくて」 

 数日ぶりに触れる賢哉さんの温もりが嬉しくて、なんだか安心してしまった。

「いいよ。舞美絵の気が済むまで、このままでいな」

「……はい」

 賢哉さんが私の肩を抱き、抱き寄せてくれる。

「本当は……寂しかったです」

「え……?」

「賢哉さんがいなくて、寂しかったです」

 寂しくても、寂しいとは言えなかった。 そんなことを言ってはいけないと思ったから。

「寂しい思い、させてごめん」

「……ううん」

 こうしてそばにいてくれるだけでいい。
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