【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。
「約束?」
「……舞美絵も、高校の時の親友を亡くしてるんだ」
「そう……なのか?」
俺は車の助手席の窓を少し開ける。
「舞美絵の親友は、オーバードーズが原因で、亡くなったんだよ」
「オーバードーズ……」
「大学の時に離れ離れになったらしいんだけど、その親友は大学の授業のことや人間関係が原因で、薬を大量に服薬するようになったらしい。 それを繰り返すようになって、その子は亡くなった」
寺巻は「そっか。そうなのか」とだけ呟く。
「俺は、そういう人を減らすためにこの仕事をしている。 舞美絵のように親友を失くす人が一人でも減るようにするのが、俺たちの仕事だ。……だから俺は、この仕事を続ける」
「……俺もお前も、目指すべきは同じってことだな」
「そうだな」
そんなことを思いながらも、寺巻は「でも奥さんのこと、悲しませたらダメだぞ」と俺に言うので「わかってるよ、そんなこと」と言い返す。
「やっぱり今度、お前の家遊びに行っていい?」
「はあ? 絶対にイヤだね」
「ケチくさいなー、四之宮は」
「お前が来るとあれこれ聞くだろ、色々と」
「そんなことはしないよー」
本当かよ……。信じられないな。
「四之宮の奥さんにも、会いたいし?」
「いや、会わせたくない」
「もう、なんでそんなこと言うかなー。俺たち相棒じゃん」
そんなことを言う寺巻に、俺は「プライベートまで相棒になったつもりはないけどな」と言い返す。
「そんな固いこと言うなって。料理上手な奥さんにも聞いてみてよ」
「はあ? お前図々しいな」
「だって、俺も奥さんの手料理、食べたみたいなーと思ってさ」
寺巻のヤツ、何かと口実付けようとしてるな……。