【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。


「ん……っ」

 頭を撫でていると、舞美絵はゆっくりと目を覚ました。

「ごめん、起こした?」

「賢哉……さん?」

 俺の姿に驚いた舞美絵は、「ご、ごめんなさいっ!私、寝ちゃってたっ!?」とソファから起き上がる。

「いいよ、疲れてるだろ? 寝てなよ」

 舞美絵は「本当にごめんね。 すぐに夕食の準備するから」と立ち上がる。
 俺はそんな舞美絵の腕を掴んで、舞美絵の身体を引き寄せてギュッと抱き締める。

「……あの、賢哉さん?」

「会いたかった、舞美絵」

 ずっと恋しかった。この温もりに、早く触れたかった。

「……大丈夫?賢哉さん」

 舞美絵はなんだか、心配しているようだった。

「一人して、ごめんな」

 舞美絵はそんな俺に優しく「ううん、平気だよ。ちゃんと帰ってきてくれたから」と笑ってくれる。

「……舞美絵、ケーキ買ってきたら、一緒に食べよう」

「えっ、ケーキ? 嬉しい」

 ケーキと聞いて目をキラキラさせている舞美絵に、俺は「夕飯作るの、なんか手伝おうか?」と聞いてみる。

「ううん、もう出来てるから大丈夫だよ」

「もう? いつの間に」

「実はね、賢哉さんが帰ってきた時にすぐにご飯が食べられるように、作り置きしてたんだ」

 舞美絵は「でもね、張り切りすぎて、いっぱい作っちゃったんだ」と笑ってみせる。

「……ありがとう、舞美絵」
 
 俺はもう一度舞美絵のことを抱き締める。

「俺のために、ありがとう」

 舞美絵は俺のために仕事を時短勤務に変えてくれた。 そこまでする必要なんて、本当はなかったはずなのに。
 舞美絵は俺を支えたいからと、自分で決めたそうだ。 そんな舞美絵を俺は尊敬しているし、とても感謝している。
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