【新作】婚約破棄×0日婚で逆転の幸せを掴んだら、生涯愛されました。
「……美味しい?」
「かなり美味い」
舞美絵はそんな俺を見て「良かった」と微笑んでいた。
「毎日献立考えるの、大変じゃないか?」
「そんなことないよ。……私、賢哉さんのために作る料理が、本当に楽しいから」
料理が楽しいか……それは嬉しい言葉だ。
「ありがとう。 毎日献立考えてくれて」
「ううん。 こちらこそ、毎日美味しく食べてくれて、ありがとう」
舞美絵の料理を食べることが、今の俺にとって何よりの幸せだ。 どんなに大変でも、元気になれる。
「なあ、舞美絵?」
「ん?」
「今度、俺の相棒が、舞美絵の料理を食べたいから家に来たいって言ってるんだけど、舞美絵的にはどう?」
さっき寺巻が言っていたことを、舞美絵に伝えてみる。
「え、本当? 私は全然、いいよ」
やっぱりか……そう言うと思った。
「出来れば、イヤって言ってほしかったな……」
「えっ?」
「いや、別に。 わかった、伝えておくな」
「うん」
寺巻のヤツ、絶対これ来るヤツじゃん……。ただ、舞美絵がいいと言っている以上、俺に断る権利はない。
舞美絵は俺に「相棒さんに苦手なものがあるかどうか、聞いておいてもらえると助かるんだけど」と言うので、「わかった。それも聞いとく」と答える。
「うん、ありがとう」
黙々とご飯を食べる舞美絵は、なんだか嬉しそうだった。
「ごちそうさまでした」
「はい」
夕食を食べ終わると、俺はリビングで景色を見ている舞美絵を後ろから抱き締める。
「賢哉さん? どうしたの?」
「舞美絵のこと、独り占め出来るなーって思って」
「何言ってるの? 結婚した時から、独り占めし放題だよ」