あの夏、君だけを見ていた

15話 彼女

……あれ。いっつもカップルで通ってるのに、男の方だけいる。
彼女といると声掛けにくいけど、今日は声掛けてみよ。

「おつかれっす。今日、一人なんすか?」

「あー、彼女今日バイトで」

「いっつも仲良さそうでいいっすよね」

「え、そっちも一緒にいるの、彼女じゃないんすか?」

……え。紬ちゃんのこと?
待って待って待って、カップルに見えてた……?え?

「あー違う違う、友達っす」

「あーそうなんすか、すんません」

「……いや、そっか……付き合ってるように見えるのか……」

「なんか、仲良さそうだったんで」

休憩室に紬ちゃんが入ってくる。
なんか勝手に気まずい。

「あ、じゃあ俺コンビニ行くんで」
がんばりましょーね、と席を立つ。

「紬ちゃん、おつかれ」
横を通りながら声を掛ける。

「あ、おつかれ」
手を振ってくれる紬ちゃんが、少しだけ寂しそうに見えた。

……ねえ、俺じゃ、だめなの?……なんて。
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