あの夏、君だけを見ていた

2話 教習所

「よろしくお願いします」

よし、教習所の申し込み完了。
父さんは教習所のお金くらい出すよって言ってくれたけど
妹の夏海もまだまだお金がかかるだろうし
母さんの入院や手術でお金がかかったのも知ってるし
自分のことは自分で賄うって決めたんだ。
さよならバイト代。俺の免許になってくれ。

「一回目の教習、受けていきますか?」

「はい、お願いします」

ーー
「右がアクセルで、左がブレーキ」

「はい、大丈夫です」

「じゃあ走ってみましょうか」

初めての運転。緊張する。
けど、自分で運転するのは思ったよりも楽しかった。

カーブもだんだんにコツを掴む。

「矢田さん、上手いですね」

「あざす」

思ってたより、教習楽しそうで良かった。
……免許取って、最高の夏にしてやるからな。
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