あの夏、君だけを見ていた

20話 いつの間に

路上出ると疲れる。でも楽しい。
免許に1歩ずつ近付いてるって感じがする。

……紬ちゃん、大丈夫かな。

自販機でミルクティーを買って休憩室に入ると
疲れ切っている紬ちゃんがいる。

「お疲れだねえ」
紬ちゃんの前にミルクティーを置く。

「あ、ありがと海斗くん」

「やっぱ路上出ると疲れるなー」
「教習所の中走ってた時と全然違う」

「え、海斗くんでもそう思う?」
まんまるの目で見つめてくるから、可愛いなとか思っちゃうよ、ちくしょー。

「うん、そりゃそうだよ」
「運転するの初めてだもん」

「……良かった」
「私が運転下手くそだからかと思ってた」

「あんまり根詰めちゃだめだよ」
鞄からチョコレートを取り出して紬ちゃんにあげる。

「あんまり餌付けしないでってば」
チョコレートを食べながら笑う紬ちゃんが眩しかった。

……ああ、いつの間に、こんなに好きになっちゃったんだろう。
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