あの夏、君だけを見ていた

8話 帰り道

「海斗くん、バイバイ」
教習所終わり、朝比奈さんに声を掛けられる。

「あれ、今日バスじゃないの?」

「うん、友達と約束してて」

「……電車?」

「うん、電車」

「……俺も今日電車で帰ろうと思ってて」
「ごめん、まじでごめん、偶然だから」
「一緒に帰ろうとしてバスやめたとかじゃないから」
つい、言い訳みたいになってしまう。

「あはは、別にそんなこと思ってないよ」
「駅まで行く?」

多分ほんとにそんなこと思ってないんだろう。
嬉しくて、ちょっとだけ切ない。

流れで駅まで一緒に歩く。
……彼氏いる子と、こんなことしていいのかな。

「最近まじで暑くない?溶けそう」

「ほんとだよねー。あっつい」

「電車涼しいといいなー」

「だねー」

くだらないことを話しながら歩く帰り道。
……アイドルの彼氏って、どんな男?
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