ゆびきりげんまん


誠さんから突然聞かれた“欲しい物”が思い浮かばず、翌日学校に着いて早々に葵唯に聞いた。



「え、逆に私も聞きたいんだけど。紬は今欲しい物ないの?」

「なんでそんな欲しいもの聞かれんの私」

「いいから!…私は、バッグとかアクセサリーとか?色々欲しいのあるけど紬はないの?」

「………何もない」



しばらく間を開けて考えた後、やっぱり思い付かずにそう言うと葵唯がはぁ〜〜、とわざとらしく大きくため息をついた。



「…いや、まぁ?普段から物欲ないしなんとなくは感じてたよ。去年もそうだったし」

「え、何の話?」

「また忘れてるでしょ、自分がもうすぐ誕生日って事」



その言葉にハッとした。
そういえばもう9月に入っている。



「ったく…。もうすぐ誕生日だね〜とかそういうの、お母さん達とかに言われないの?」

「ぁ、あぁまぁ…あんまり?」

「ま、それはどうでもいいんだけど!普通ありえないからね!」



自分の誕生日忘れるなんて、と呆れながら葵唯は言った。


去年も同じようなことを葵唯に言われた気がする。
1年生の時に仲良くなってそれなりに遊び行ったり、葵唯の誕生日ももちろんお祝いしたのに。


私にとっては“誕生日”というものに特別感がなくて。


由紀さんや誠さんは毎年お祝いしてくれて、今思えば昔からほぼサプライズ状態で自分が誕生日だということを知る形になっていた。



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