ゆびきりげんまん


慣れないその気遣いに戸惑いながらもメニューを見ると大々的にぶどうのパフェが載っていた。



「ぶどう、美味しそう…」



宝石みたいなシャインマスカットだけでなく、大きな粒で濃い紫色の巨峰もふんだんに使われた贅沢なぶどうパフェ。

白い生クリームとのビジュアルに負けて、思わずそんな言葉が溢れるとフフッという笑い声が聞こえた。



「じゃあ、ぶどうパフェにしよっか?」

「あ、お願いします…」



私、どういう表情してたんだろう。
恥ずかしさで視線を逸らして店員さんが持ってきてくれたお冷をひと口飲んだ。



「…神崎さんは?」

「んー、僕はチーズケーキかな」



すみません、と店員さんを呼んで神崎さんは慣れたように注文していく。



「……」



注文した後、気まずい空気が流れた。
何を話せばいいのか、全く考えていなかったわけではないけど。

むしろ聞きたいことがたくさんあるけど改めてこう向き合うと緊張してしまう。



ほとんどのお客さんが女性の店内で、神崎さんは良い意味で浮いている。
顔が整っているからか、その雰囲気から店内の女性がチラチラとこちらを見ているのが分かった。

…当の本人は気付いていなさそうだけど。


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