ゆびきりげんまん
「…ここのカフェ、初めて来たんですか?」
気まずさからついに私から話しかけてしまった。
「ん?うん。調べて初めて知った。つむはここ知ってた?」
「いえ、私も初めてです」
「そっか。駅からも近いし、ここなら明るくて緊張せずに話せるかなって思って」
…バレてる?
一応警戒してこの時間を選んだこと。
「学校は忙しいの?」
「…まぁ、普通です」
「テストとかもあるんでしょ?つむは頭良さそうだね」
「そんな、別に普通くらいですよ」
そこで会話が途切れてしまって、ふと視線を上げると神崎さんはテーブルに頬杖をついて私を見ながら微笑んでいた。
「…なに、か」
「ふふ、嬉しいなぁと思って。つむとこうしてまた会えることができて、話せて」
私にはないこの人との思い出は、この人にはあるらしい。