ゆびきりげんまん


『明日、放課後迎えに行くよ』

「えっ?」

『そんな話聞いたら心配になる』

「ごめんなさい…。でも、私の勘違いかもしれないし」

『それでもいいよ、ただ会いたいだけだから』

「なっ、!」

『ふはっ、明日放課後大丈夫そう?』



どこか1枚上手な神崎さんに、簡単に転がされてしまう自分が恥ずかしい。


…“会いたい”という言葉1つにドキドキしてしまっている自分にも気付きたくない。



「今度文化祭があって、今帰るのが少し遅くなってるんですけど…」

『えっ!文化祭!?…あ、いや、僕は何時でも大丈夫だよ』

「じゃあ……、」



明日の放課後に神崎さんと駅のファミレスで会うことになった。
これを葵唯に言うと、きっとまた質問攻めをくらうだろう。



『じゃあまた明日、おやすみ』

「はい、ありがとうございます。おやすみなさい」



プツ、と切れた電話。
急に部屋が静かに感じて寂しくなる。

枕元に置いていたぬいぐるみを抱き締めて早く明日にならないかなと柄にもなく思ってしまった。



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