ゆびきりげんまん
「なぁに?ひと口あげようか?」
「だっ、大丈夫です」
「そう?」
くつくつと面白そうに笑っている。
揶揄われているのに気付いてムッとして睨むと「ごめんってば」と笑いながら神崎さんは謝った。
お互いにハンバーグを食べ終えお会計をしにレジへと向かう。
今日こそは私がお金を払おうとテーブルに置かれた伝票を手に取ると背後から伸びた神崎さんの手に意図も簡単に奪われた。
「あっ、」
「もう、何しようとしてんの」
「今日は私が払います!」
「ダメでーす。学生は奢られてくださーい」
「そんな、毎回悪いです」
「そんな顔したってダーメ」
手に持っている伝票に手を伸ばしても、私より身長が高い神崎さんは届かないように手を上へ伸ばして取られないようにする。
「ほら、お会計するからちょっと待っててね」
「……はい…」
「あ、外じゃなくて中にいて。暗くて危ないから」
お会計してるところを少し遠くから眺めていると少しして神崎さんは満足気に「おまたせ」と私に近寄った。
「いくらでした?」
「んー?0円だったよ?」
「流石に嘘だって分かります!」
「そっかー、バレちゃった」
「もう!」
財布を取り出して待っていたというのに、神崎さんにその財布を無理矢理肩にかけていた鞄の中へと押し込まれてしまった。