ゆびきりげんまん
***


「はい」

「……何ですか?これ」

「何って、明日授業で使う資料。ホッチキスで纏めてくれ」

「え、なんで私が」

「はい?俺の授業で居眠りしてたのはどこの誰だっけ?」



ドサッと置かれたプリントの山。

放課後職員室に呼び出され、大人しく向かうと待ち構えていたのは雑用だった。



「お前、成績は無駄に良いんだから授業くらい起きとけよ」

「成績良いんだから、別に授業中寝てたって…」

「何か言ったか?」

「…いいえ、何も」



カチャンカチャン、と数回こなす度に慣れていくのが分かった。

先生のデスクの隣で大人しく資料を纏めている私。
もう何も考えずにやっていると、ふと視線を感じた。



「何ですか?」

「…いや?それ終わったら帰っていいぞ」

「はーい」



職員室の窓から外を見ると、空は綺麗なオレンジ色に染まっていた。

この間まで蒸し暑い日が続いていたというのに、今では朝晩は肌寒くなってきた。
これから先どんどん気温は下がり、いつしか冷たい冬がやってくる。


雪がしんしんと降り積って……。



「雪…」

「水瀬?悪いな遅くまで付き合わせて」



先生のその声にハッとした。
手元に持っていたのは最後の資料で、無意識のうちに左上にはホッチキスが留められていた。



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