酔っ払った勢いで子どもを授かりました。って、相手は誰?
それにしても両親が堕胎を口にしなかっただけはありがたい。兄なんかは「私のところの養子にしたっていい」と口にしてくれたくらいだ。
とはいえ、ほとぼりが冷めたら伯爵家に戻っていいのだろうか。兄夫婦のことを考えれば、誰の子かわからぬ子を育てているエリサリナは、彼らの側にいないほうがいい。
だからっていつまでもメラーズ子爵の好意に甘えているわけにもいかないだろう。やはりリザリアを兄夫婦の養子にして、自分は修道院へ身に寄せるのが妥当なのか。
ここでのエリサリナは「夫(となるべきだった人)に先立たれたかわいそうな(親戚の)娘」的な立ち位置だ。同じように夫に先立たれたダフネを頼って、互いに傷を慰め合っていると、そんな話が広がっているのは知っている。この話を広めたのが父親だから、彼の情報操作力には舌を巻く。
とにかくしばらくはここにいてもよさそうだが、それが一生ではないということだけは確かである。そのため今後の生活を考えては不安に押しつぶされそうになってしまう。自分が恵まれた環境にあるとはわかっているはずなのに。
「母さん、母さん。大変だ!」
メラーズ子爵自ら走って、ダフネのところにやってきた。家令を使わず、子爵自らというのは非常に珍しい。いや、エリサリナが知る限り、初めてである。
とはいえ、ほとぼりが冷めたら伯爵家に戻っていいのだろうか。兄夫婦のことを考えれば、誰の子かわからぬ子を育てているエリサリナは、彼らの側にいないほうがいい。
だからっていつまでもメラーズ子爵の好意に甘えているわけにもいかないだろう。やはりリザリアを兄夫婦の養子にして、自分は修道院へ身に寄せるのが妥当なのか。
ここでのエリサリナは「夫(となるべきだった人)に先立たれたかわいそうな(親戚の)娘」的な立ち位置だ。同じように夫に先立たれたダフネを頼って、互いに傷を慰め合っていると、そんな話が広がっているのは知っている。この話を広めたのが父親だから、彼の情報操作力には舌を巻く。
とにかくしばらくはここにいてもよさそうだが、それが一生ではないということだけは確かである。そのため今後の生活を考えては不安に押しつぶされそうになってしまう。自分が恵まれた環境にあるとはわかっているはずなのに。
「母さん、母さん。大変だ!」
メラーズ子爵自ら走って、ダフネのところにやってきた。家令を使わず、子爵自らというのは非常に珍しい。いや、エリサリナが知る限り、初めてである。