酔っ払った勢いで子どもを授かりました。って、相手は誰?
* * *

 リザリアをダフネに預け、エリサリナはメラーズ子爵と一緒に客人の元へと向かった。
 子爵に案内され、エリサリナは頭を下げた。
「お初にお目にかかります、エリサリナ・リュミエールです。このたびは――」
「探しましたよ……」
 低く響く威圧ある声色に、エリサリナはぱっと頭を上げた。
「え、アイゼル? カルデナ侯爵がいらしているはずでは?」
 その部屋で待っていたのは、エリサリナもよく知っている男だった。彼の名はアイゼル・モルゲン。エリサリナより一つ年下であるが、騎士団で共に剣を振るった仲だ。モルゲン子爵家の次男で、家は兄が継ぐから自分は騎士になったと、そんな話を聞いた記憶がある。
「サリー。何を言っているんだい? この方がカルデナ侯爵だよ」
 メラーズ子爵の言葉に、エリサリナは目を白黒させた。
「は? えっ? いえ、彼はアイゼル・モルゲン。モルゲン子爵家の……」
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