酔っ払った勢いで子どもを授かりました。って、相手は誰?
「カルデナ侯爵家って、確か……」
義姉が言うには侯爵は五十代。長年、子に恵まれず、昨年、夫人を病で失ったとか。
「この際、年上だろうが後妻だろうが、関係ない。この縁を逃すな!」
どうやら父は、カルデナ侯爵家という家柄に屈したようだ。いや、リュミエール伯爵家から修道女を出したくなかったのかもしれない。未亡人でもないのに、修道女になるというのは、それだけわけありだと認識されるからだ。
だからリュミエール伯爵が急いで返事を書き、また相手から手紙が届き、十日後に顔合わせが決まった。
となれば、母と義姉がああでもないこうでもないと、エリサリナのドレスを選び、また厳しく指導する。この家族は、エリサリナによってカルデナ侯爵家と縁続きになるのを望んでおり、かつ修道女を輩出したくない。それがひしひしと感じられた。
だが、連日の準備でエリサリナも自分で気づかぬ間に疲労がたまっていたらしい。顔合わせを三日後に控えたとき、真っ青な顔をして気を失ってしまったのだ。
「サリー!」
母親が名を呼ぶ声からは、娘を案じる様子が伝わってきた。
お母様、大丈夫です……。
そう言いたかったのに、エリサリナの意識は真っ黒に染まった。
義姉が言うには侯爵は五十代。長年、子に恵まれず、昨年、夫人を病で失ったとか。
「この際、年上だろうが後妻だろうが、関係ない。この縁を逃すな!」
どうやら父は、カルデナ侯爵家という家柄に屈したようだ。いや、リュミエール伯爵家から修道女を出したくなかったのかもしれない。未亡人でもないのに、修道女になるというのは、それだけわけありだと認識されるからだ。
だからリュミエール伯爵が急いで返事を書き、また相手から手紙が届き、十日後に顔合わせが決まった。
となれば、母と義姉がああでもないこうでもないと、エリサリナのドレスを選び、また厳しく指導する。この家族は、エリサリナによってカルデナ侯爵家と縁続きになるのを望んでおり、かつ修道女を輩出したくない。それがひしひしと感じられた。
だが、連日の準備でエリサリナも自分で気づかぬ間に疲労がたまっていたらしい。顔合わせを三日後に控えたとき、真っ青な顔をして気を失ってしまったのだ。
「サリー!」
母親が名を呼ぶ声からは、娘を案じる様子が伝わってきた。
お母様、大丈夫です……。
そう言いたかったのに、エリサリナの意識は真っ黒に染まった。