Dying music 〜音楽を染め上げろ 高2編~
ステージが暗転する。
「1曲目、DOPE」
次の瞬間、スピーカーから一気に音が弾け出す。本日一発目はバチバチのHIPHOP。重低音のビートが響きわたり、客の身体を自然と揺らす。
♬~🎶♬~🎶~!!!
がなりを用いる鋭いパートに喉の奥が熱くなる。
僕はHIPHOPメインではない。強弱のつけ方、滑舌、リズム感…。まだまだが修行中だが、ビートに乗って歌っているときは最高に楽しい。この曲も歌っているだけで強くなった気分になれる。
🎶~🎶~……――――ー
歌い終わると歓声と拍手がハコいっぱいに響きわたった。一方、ステージ上では互いの呼吸音しか聞こえない。
僕らは最初と最後の挨拶以外、MCを一切挟まない。理由は簡単で、喋るくらいなら喉の温存と回復に充てたいから。あとは、歌い始めからの集中力を途切れさせたくないから。互い落ち着いたのを確認し、僕はマイクを握り直す。
「2曲目、lackでennvuxi」
次は1曲目と打って変わってバラード。好いた相手への溢れる想いを綴ったデュエットソングで、カラオケランキングでは常に上位に入る人気曲だ。
前に比べて高音はよく出るようになった。裏声とMixボイスの使い方を研究し、発声練習も工夫したんだ。
♪🎶~♬~
―「おおおぉ!」
コードが歌い始めると客が一斉に反応した。ここが本日のメインである、コードの英語パート。滑らかなリズムに恋焦がれる想いを乗せ、聞く人を一気に惹き寄せる。
しっとりした雰囲気で客席を包み込みながら2曲目を終える。しかしこのままでは終わらない。最後はテンション爆アゲでいこう。
ラストは…
「クラウドで、雷雨」
邦ロックで〆る。
♬~🎶🎶~!!
疾走感のあるギターが走り出し、客席が再び揺れ始める。
🎶~🎶♪‼!!
途中、コードが上ハモで重ねてきた。有言実行かよ。ムカつくな。でも不自然にはできない。 僕も下ハモで支え、メロディーの重なりを丁寧に作る。その対応に満足したのか、コードが満面の笑みで目線を合わせてきた。そこからはユニゾンへ戻り、最後のロングトーンまで駆け抜けた。