君と終わった街で
その言葉が、文姫の胸へ真っ直ぐ落ちる。
涙で視界が滲む。
逃げていた。
ずっと。
高校の頃から。
傷つけるのが怖くて。
傷つくのも怖くて。
だからいつも、自分から離れてきた。
でも。
洸太は追いかけてきた。
十年経っても。
こんなふうに必死になって。
文姫は唇を噛む。
「……でも私」
声が震える。
「洸太を幸せにできる自信ない」
洸太は少しだけ目を細める。
文姫は涙を拭うこともできず、続けた。
「また傷つけるかもしれないし」
「怖くなって逃げるかもしれないし」
「桃花さんみたいに、ちゃんと真っ直ぐ好きって……」
そこまで言った瞬間だった。
洸太が、一歩近づく。
「じゃあ俺が待つ」
文姫が息を止める。
洸太は迷いなく言った。
「怖くなったら、待つ」
「逃げそうになったら、捕まえる」
少しだけ笑う。
「十年できたし、今さらだろ」
その言葉に、文姫の涙がまた溢れる。
洸太はゆっくり文姫を見る。
「桃花がいい子なのも分かってる」
文姫の胸が苦しくなる。
洸太は少し視線を落として、それから静かに言った。
「でも」
夜風が二人の間を抜ける。
「俺が好きなのは、文姫なんだよ」
その声は静かだった。
でも。
十年分の想いが全部詰まってるみたいだった。
文姫はもう立っていられなかった。
涙が止まらない。
ぐちゃぐちゃになる。
「……なんで」
掠れた声が漏れる。
「なんでそんな……」
洸太は少し困ったみたいに笑った。
「俺にも分かんねぇよ」
「気づいたら、ずっと好きだった」
その笑い方が、泣きそうで。
文姫は耐えられなくなる。
気づけば、洸太の服を掴んでいた。
離れたくなかった。
もう。
本当はずっと。
文姫は顔を伏せたまま、震える声で言う。
「……好き」
洸太の身体が、小さく止まる。
文姫は泣きながら続けた。
「ちゃんと好き」
「洸太が、好き」
その瞬間。
洸太が文姫を強く抱きしめた。
今までで一番強く。
でも。
壊れ物を抱えるみたいに優しかった。
涙で視界が滲む。
逃げていた。
ずっと。
高校の頃から。
傷つけるのが怖くて。
傷つくのも怖くて。
だからいつも、自分から離れてきた。
でも。
洸太は追いかけてきた。
十年経っても。
こんなふうに必死になって。
文姫は唇を噛む。
「……でも私」
声が震える。
「洸太を幸せにできる自信ない」
洸太は少しだけ目を細める。
文姫は涙を拭うこともできず、続けた。
「また傷つけるかもしれないし」
「怖くなって逃げるかもしれないし」
「桃花さんみたいに、ちゃんと真っ直ぐ好きって……」
そこまで言った瞬間だった。
洸太が、一歩近づく。
「じゃあ俺が待つ」
文姫が息を止める。
洸太は迷いなく言った。
「怖くなったら、待つ」
「逃げそうになったら、捕まえる」
少しだけ笑う。
「十年できたし、今さらだろ」
その言葉に、文姫の涙がまた溢れる。
洸太はゆっくり文姫を見る。
「桃花がいい子なのも分かってる」
文姫の胸が苦しくなる。
洸太は少し視線を落として、それから静かに言った。
「でも」
夜風が二人の間を抜ける。
「俺が好きなのは、文姫なんだよ」
その声は静かだった。
でも。
十年分の想いが全部詰まってるみたいだった。
文姫はもう立っていられなかった。
涙が止まらない。
ぐちゃぐちゃになる。
「……なんで」
掠れた声が漏れる。
「なんでそんな……」
洸太は少し困ったみたいに笑った。
「俺にも分かんねぇよ」
「気づいたら、ずっと好きだった」
その笑い方が、泣きそうで。
文姫は耐えられなくなる。
気づけば、洸太の服を掴んでいた。
離れたくなかった。
もう。
本当はずっと。
文姫は顔を伏せたまま、震える声で言う。
「……好き」
洸太の身体が、小さく止まる。
文姫は泣きながら続けた。
「ちゃんと好き」
「洸太が、好き」
その瞬間。
洸太が文姫を強く抱きしめた。
今までで一番強く。
でも。
壊れ物を抱えるみたいに優しかった。