20年越しの初恋カメラの向こうの君と
ラーメンを食べると二人は愛斗のひぃおばあちゃんの老人ホームにいく。
敦子と末愛斗は、車を降りると、緑に囲まれた老人ホーム「はーとふる」の玄関をくぐった。
明るく開放的なロビーには温かな空気が流れ、二人はまず事務室へと向かい、専務の節子に面会を申し出る。
「こんにちは、末山愛斗です。お忙しいところすみません」
席から立ち上がった節子は、笑顔で二人を迎える。
「いらっしゃい、愛斗くん。久しぶりね。そちらは奥様になられる方かしら?」
愛斗は敦子の手を取り、はっきりと報告する。
「はい、仙道敦子さんです。今日は正式に、結婚することになりました、そして妊娠もしていることをご報告に来ました。これから家族が増えますので、よろしくお願いいたします」
節子は目を丸くして、すぐに柔らかな笑みを浮かべる。
「まあ、おめでとう! 二重に嬉しい知らせですね。しずおばあちゃんもきっと喜ぶわ。さっそく食堂の方にいらっしゃるから、案内しましょう」
二人は食堂へと移動する。テーブルに座る利用者たちの間を抜け、愛斗が向かった先には、白い髪をきれいに整えたひいおばあちゃんのしずが、静かにお茶を飲んでいた。
担当の介護士・栄美がすぐに気づき、そっと耳元で話しかける。
「しずさん、愛斗くんが来てくれましたよ」
しずはゆっくりと顔を上げ、目を細めて二人を見る。
「愛斗… 久しぶりだねえ、大きくなって…」
愛斗は車椅子を引いて隣に座り、敦子を紹介しながら、柔らかい声で話し始める。
「ひいおばあちゃん、久しぶりです。こちらは敦子さんです。実は私たち、結婚することになりました。そして… お腹の中に、新しい命も授かったんです」
敦子も前に出て、丁寧に頭を下げる。
「初めまして、敦子です。これから愛斗くんと一緒に、ずっとお世話になります」
しずは一瞬、目を大きく見開いた後、震える手で愛斗の手を握り、頬に涙が伝う。
「ああ… そうか、そうだったのか… 結婚して、赤ちゃんまで… こんな嬉しいことがあるなんて…」
声を詰まらせながら、何度も頷き、二人の手を両手で包み込むように握り続ける。
周りのテーブルにいた利用者たちも、話を聞いて拍手を送り、次々に声を上げる。
「おめでとう! 幸せになるんだよ」
「仙道敦子さんって、テレビで見たことあるわ! 芸能人が来てくれるなんて、今日は特別な日だね 愛斗くんもテレビでよくみるよ
あんなに小さった子が結婚なんて嬉しいわ」
「愛斗くんも立派になって、こんな素敵な人と結婚するなんて、本当に良かった」
食堂全体が祝福の温かな雰囲気に包まれた。
その後、二人は施設のレクリエーションの時間にも参加することになった。ピアノの伴奏が始まると、愛斗はしずの手を取り、敦子と並んで立つ。
「今日は、おばあちゃんたちに歌を歌わせてください僕が昔からすきだった今を抱きしめてを敦子とデュエットするよ昔よく聞いてくれたよね」
柔らかく息を吸い込み、愛斗はゆっくりと歌い始める。 『今を抱きしめて』——大切な人との絆、この瞬間の幸せを歌うメロディーが、食堂の中に響き渡る。
しずは愛斗の手を離そうとせず、指をしっかりと絡めたまま、目を閉じて歌に耳を傾ける。その手は少し震えていたが、とても温かく、愛斗の心に直接届くようだった。
周りのお年寄りたちも、手拍子を打ったり、口ずさんだりしながら、歌声に耳を澄ませる。敦子も一緒に声を重ね、二人の歌声が一つになって、施設全体に幸せな余韻を残していった。
歌い終わると、しずは再び涙を浮かべ、愛斗の手を強く握りしめた。
「いい歌だった… 私、これからも元気で待ってるからね。赤ちゃんが生まれたら、必ず連れてきておくれ」
愛斗は頷き、しずの手をそっと撫でる。
「はい、必ず連れてきます。これからも元気で長生きしてください」
この日、老人ホーム「はーとふる」には、結婚と妊娠の喜び、家族の絆、そして歌声が、長く温かく残っていくのだった。
敦子と末愛斗は、車を降りると、緑に囲まれた老人ホーム「はーとふる」の玄関をくぐった。
明るく開放的なロビーには温かな空気が流れ、二人はまず事務室へと向かい、専務の節子に面会を申し出る。
「こんにちは、末山愛斗です。お忙しいところすみません」
席から立ち上がった節子は、笑顔で二人を迎える。
「いらっしゃい、愛斗くん。久しぶりね。そちらは奥様になられる方かしら?」
愛斗は敦子の手を取り、はっきりと報告する。
「はい、仙道敦子さんです。今日は正式に、結婚することになりました、そして妊娠もしていることをご報告に来ました。これから家族が増えますので、よろしくお願いいたします」
節子は目を丸くして、すぐに柔らかな笑みを浮かべる。
「まあ、おめでとう! 二重に嬉しい知らせですね。しずおばあちゃんもきっと喜ぶわ。さっそく食堂の方にいらっしゃるから、案内しましょう」
二人は食堂へと移動する。テーブルに座る利用者たちの間を抜け、愛斗が向かった先には、白い髪をきれいに整えたひいおばあちゃんのしずが、静かにお茶を飲んでいた。
担当の介護士・栄美がすぐに気づき、そっと耳元で話しかける。
「しずさん、愛斗くんが来てくれましたよ」
しずはゆっくりと顔を上げ、目を細めて二人を見る。
「愛斗… 久しぶりだねえ、大きくなって…」
愛斗は車椅子を引いて隣に座り、敦子を紹介しながら、柔らかい声で話し始める。
「ひいおばあちゃん、久しぶりです。こちらは敦子さんです。実は私たち、結婚することになりました。そして… お腹の中に、新しい命も授かったんです」
敦子も前に出て、丁寧に頭を下げる。
「初めまして、敦子です。これから愛斗くんと一緒に、ずっとお世話になります」
しずは一瞬、目を大きく見開いた後、震える手で愛斗の手を握り、頬に涙が伝う。
「ああ… そうか、そうだったのか… 結婚して、赤ちゃんまで… こんな嬉しいことがあるなんて…」
声を詰まらせながら、何度も頷き、二人の手を両手で包み込むように握り続ける。
周りのテーブルにいた利用者たちも、話を聞いて拍手を送り、次々に声を上げる。
「おめでとう! 幸せになるんだよ」
「仙道敦子さんって、テレビで見たことあるわ! 芸能人が来てくれるなんて、今日は特別な日だね 愛斗くんもテレビでよくみるよ
あんなに小さった子が結婚なんて嬉しいわ」
「愛斗くんも立派になって、こんな素敵な人と結婚するなんて、本当に良かった」
食堂全体が祝福の温かな雰囲気に包まれた。
その後、二人は施設のレクリエーションの時間にも参加することになった。ピアノの伴奏が始まると、愛斗はしずの手を取り、敦子と並んで立つ。
「今日は、おばあちゃんたちに歌を歌わせてください僕が昔からすきだった今を抱きしめてを敦子とデュエットするよ昔よく聞いてくれたよね」
柔らかく息を吸い込み、愛斗はゆっくりと歌い始める。 『今を抱きしめて』——大切な人との絆、この瞬間の幸せを歌うメロディーが、食堂の中に響き渡る。
しずは愛斗の手を離そうとせず、指をしっかりと絡めたまま、目を閉じて歌に耳を傾ける。その手は少し震えていたが、とても温かく、愛斗の心に直接届くようだった。
周りのお年寄りたちも、手拍子を打ったり、口ずさんだりしながら、歌声に耳を澄ませる。敦子も一緒に声を重ね、二人の歌声が一つになって、施設全体に幸せな余韻を残していった。
歌い終わると、しずは再び涙を浮かべ、愛斗の手を強く握りしめた。
「いい歌だった… 私、これからも元気で待ってるからね。赤ちゃんが生まれたら、必ず連れてきておくれ」
愛斗は頷き、しずの手をそっと撫でる。
「はい、必ず連れてきます。これからも元気で長生きしてください」
この日、老人ホーム「はーとふる」には、結婚と妊娠の喜び、家族の絆、そして歌声が、長く温かく残っていくのだった。