劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜



夜を迎えると、本格的な年越しイベントが幕を開ける。イギリスの年越しは、家族や友人とささやかなパーティーを開いたり、街に出て盛大にカウントダウンを楽しむことが多い。

(まぁ、僕のこれまでの人生に年越しってあまり関係なかったけどね……)

聖堂のテーブルに並んだ料理を見て、マシューは去年の年越しを思い出す。去年の年越しは雪が降り積もる中、ジルと体を震わせながら眠りに付いた。パトリシアとイーサンはパーティーを楽しんでいたようだが。

「うまそ〜!やっぱ年越しはパーティー料理だよな!」

セバスチャンがビーフ・ウェリントンにフォークを刺す。ビーフ・ウェリントンとは、牛ヒレ肉の塊にきのこペーストなどを塗り、パイ生地で包んでオーブンで焼き上げた料理である。

「この料理、確かクリスマスにも出ましたよね」

マシューがそう口にすると、セバスチャンが「そりゃあお前、ビーフ・ウェリントンは記念日のメインディッシュだぜ?」と驚いた顔をする。マシューの胸がズキッと痛んだ。
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