劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜
「暗闇の中から攻撃されるかもしれません」

ヴィヴィアンの声に警戒の色が宿る。マシューも「うん」と言いながら杖を構えた。すると、どこからか歌声が聴こえてくる。


透明な迷路を彷徨いし 哀れな子羊よ
冬に生まれしその命は泡沫 木枯らしの音色


「な、何?この歌?」

戸惑うマシューだったものの、歌を聴いているとだんだんと頭がぼんやりしていくのがわかった。

(これってもしかして、歌に催眠魔法でもかけられてる?)

頭に浮かんだことをヴィヴィアンに伝えようと、マシューは前を歩く彼女に話しかけようとした。しかしーーー。

「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ヴィヴィアンが突然大声を上げた。マシューの肩がびくりと跳ねる。何が起きているのか、理解が追いつかない。

「エバンズさん!?」

ヴィヴィアンがタイプライターを出し、文字を打ち込んでいく。迷路が放たれた魔法によって壊されていった。
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