私の恋を探してください
7.何で、こんなに、真っ直ぐなんだろう
翌朝、目を開けると、違和感を覚え、私は起き上がってボンヤリと辺りを見回す。
――ああ、勝兄さんの部屋か。
チラリ、と、隣を見下ろせば、その彼の姿は既に無かった。
私は、胸を撫で下ろすと、ベッドから下りる。
朝日がカーテンの隙間から差し込んでいる感じから、いつもよりも遅い起床時間だろう。
ちょうど、サイドボードに時計が置いてあったので視線を向け――その隣に見えたものに、硬直した。
――……私の写真……?
棚の上にあった写真立ては、一つや二つではない。
私は、恐る恐る、その前に立つ。
――一体、いつ撮ったのかと思うような、学校にいる時の姿や――おそらく、通学時の姿。
いくつもの昔の自分の姿に、胸の奥がひんやりと冷たくなる。
――……そして、昨日言われた言葉を思い出した。
――……小さい頃から、私が好きだった、と。
「ああ、起きた、琴ちゃん?」
すると、勝兄さんがドアを開けて声をかてきたので、反射の様に跳ね上がった。
「――……あ、お、おはよう……ございます……」
「おはよう」
そう言いながら、私のそばにやってくると、彼は、そっと髪を撫で、耳元で囁いた。
「――ゴメンね、驚かせて。……会えない分、どうしても写真が欲しくて、真人に頼んだんだ」
「……あ……え――……」
そして、私を抱き締めると、何度もキスを落とす。
「ずっと、こんな風にしたかったよ」
「――ま、勝兄さん……」
ニコリ、と、満足そうに微笑む彼が――怖かった。
朝食を終え、片づけを済ませると、私は、リビングでレポートの続きを始める。
しばらくすると、近くに置いてあったスマホが振動し、思わず周囲を見回してしまった。
勝兄さんは、田んぼに行くと言って、まだ戻ってきていない。
私は、恐る恐る画面を見やり、心臓が跳ね上がった。
――大丈夫か。
メッセージ画面に、一文だけ。
差出人は――千谷沢さんだ。
私は、少しだけ跳ね上がる胸を押さえながら、文を打ち込んだ。
――おはようございます。
――昨日は、いろいろと申し訳ありませんでした。
……何だか、謝ってばかり。
そう思ったけれど、それだけ送り返す。
すると、すぐに返信が来て、驚いてスマホを落としてしまい、慌てて拾い上げる。
――気にしてねぇよ。
――ただ、お前が心配なだけだ。
――もし、助けが必要なら、いつだって連絡くれ。
――女装の方が良いなら、用意もできる。
私は、思わず、口元を上げる。
――……本当に……この人は――……何で、こんなに、真っ直ぐなんだろう。
けれど、その思いは振り払い、当たり障りの無い返信を送る。
――ありがとうございます。
――依頼の方は、引き続きよろしくお願いいたします。
そして、再び、レポート画面に戻った。
――ああ、勝兄さんの部屋か。
チラリ、と、隣を見下ろせば、その彼の姿は既に無かった。
私は、胸を撫で下ろすと、ベッドから下りる。
朝日がカーテンの隙間から差し込んでいる感じから、いつもよりも遅い起床時間だろう。
ちょうど、サイドボードに時計が置いてあったので視線を向け――その隣に見えたものに、硬直した。
――……私の写真……?
棚の上にあった写真立ては、一つや二つではない。
私は、恐る恐る、その前に立つ。
――一体、いつ撮ったのかと思うような、学校にいる時の姿や――おそらく、通学時の姿。
いくつもの昔の自分の姿に、胸の奥がひんやりと冷たくなる。
――……そして、昨日言われた言葉を思い出した。
――……小さい頃から、私が好きだった、と。
「ああ、起きた、琴ちゃん?」
すると、勝兄さんがドアを開けて声をかてきたので、反射の様に跳ね上がった。
「――……あ、お、おはよう……ございます……」
「おはよう」
そう言いながら、私のそばにやってくると、彼は、そっと髪を撫で、耳元で囁いた。
「――ゴメンね、驚かせて。……会えない分、どうしても写真が欲しくて、真人に頼んだんだ」
「……あ……え――……」
そして、私を抱き締めると、何度もキスを落とす。
「ずっと、こんな風にしたかったよ」
「――ま、勝兄さん……」
ニコリ、と、満足そうに微笑む彼が――怖かった。
朝食を終え、片づけを済ませると、私は、リビングでレポートの続きを始める。
しばらくすると、近くに置いてあったスマホが振動し、思わず周囲を見回してしまった。
勝兄さんは、田んぼに行くと言って、まだ戻ってきていない。
私は、恐る恐る画面を見やり、心臓が跳ね上がった。
――大丈夫か。
メッセージ画面に、一文だけ。
差出人は――千谷沢さんだ。
私は、少しだけ跳ね上がる胸を押さえながら、文を打ち込んだ。
――おはようございます。
――昨日は、いろいろと申し訳ありませんでした。
……何だか、謝ってばかり。
そう思ったけれど、それだけ送り返す。
すると、すぐに返信が来て、驚いてスマホを落としてしまい、慌てて拾い上げる。
――気にしてねぇよ。
――ただ、お前が心配なだけだ。
――もし、助けが必要なら、いつだって連絡くれ。
――女装の方が良いなら、用意もできる。
私は、思わず、口元を上げる。
――……本当に……この人は――……何で、こんなに、真っ直ぐなんだろう。
けれど、その思いは振り払い、当たり障りの無い返信を送る。
――ありがとうございます。
――依頼の方は、引き続きよろしくお願いいたします。
そして、再び、レポート画面に戻った。