女神イリオネスと、九ヶ月の飴玉
 そしてイリオネス自身も、一粒口に放り込み、片方のほっぺたを無邪気に膨らせましたが、アフディーは自分の飴を口に入れることもせず、じっと、イリオネスの顔を覗き込んでいました。

 イリオネスは、見つめられたことに、顔を赤くし戸惑いうつつ、そのわけを問いかけます。

「どうしたのですか? 食べないのですか」

 アフディーはいつもの尊大な『神様らしい喋り方』をふっと忘れ、等身大の少女のような柔らかな声で答えました。

「ううん。なんでもない」と、嬉しそうに飴を頬張りました。

 二人の口の中に、ヒュピヒュピから譲り受けた『絆の味』が、甘く優しく広がっていきました。
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