恋が終わる音がきこえた

進んでいく恋

放課後。

教室の片付けをしていると、
姫香が鞄を肩にかけて振り向いた。

「美緒、今日ちょっと用事あるから先帰るね!」

「うん」

軽く返すと、
姫香はそのまま教室のドアに向かう。

その時。

「そうたくん!」

廊下から姫香の声が聞こえた。

顔を上げると、
そうたくんが振り返っている。

「一緒に帰ろ?」

「あ、うん」

少しだけ驚いたような顔をして、
それから普通に頷いた。

姫香は嬉しそうに笑って、
そのまま隣に並ぶ。

「じゃあね美緒!」

「おつかれ」

扉が閉まる。

教室が一気に静かになる。



窓の外を見ても、
もう2人の姿は見えなかった。

ただそれだけなのに、
少しだけ空気が違う気がした。

私は机の上を片付けながら、
何も考えないようにしていた。
< 9 / 10 >

この作品をシェア

pagetop