地味な私とお嬢様!~正反対な2人なのに最強コンビでした~

5. ティアラのゆくえ


「せ、先生! ローズのティアラが表れました!!」

ひとりの生徒が気づいて声をあげる。

「えぇ!?」「どうして!?」先生も生徒達も驚愕する。

なんと、ローズのティアラが消えた場所に、ローズのティアラが戻っていた。

「本物のローズのティアラは、こちらです」

私は、姿見の裏側からローズのティアラを持ち上げた。
するとどこかから私に鋭い視線が飛んできて、すぐに消えた。
私はそれに気づかないふりをする。

「姿鏡の裏側に収納空間があって、鏡の角度によって、ローズのティアラが表れたり消えたりするんです」

「まあ、姿見の裏の収納空間があったなんて……」

木村先生が驚きで顔を赤くしている。

「ローズのティアラは、最初からずっと姿見の収納空間にありました」

「え、どうして?」と白金さんが聞く。
その声が少し緊張していた。
他の生徒も先生も、静かに私を見つめてくる。

どうして、ローズのティアラはずっと姿見の裏にあったのか……?
誰だって気になるに違いない。

ふと、白金さんから離れて立っている玉城さんを見た。
一瞬、視線が合う。
無表情。でも、瞳が静かにゆれているのが見える。

私は思い切って言った。

「これは……展示会の余興だったみたいです」

一拍して、ガラリと空気が変わった。

生徒たちは、「なんだびっくりした~!」「演出だったのね!」と盛り上がる。

「まあ! 粋なサプライズですわ!」

手をたたいて喜ぶ白金さん。

「……」

反対に玉城さんは少し困った顔をしていた。
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