地味な私とお嬢様!~正反対な2人なのに最強コンビでした~
6. 誰が犯人?
無事にローズのティアラは元の位置に展示された。
生徒も先生も、談笑しながら教室へと戻っていく。
私は、玉城さんを呼び止めた。
「少し、お話ししてもいいですか?」
ピクッと玉城さんの肩が動いた気がしたけど、相変わらず表情は読み取れない。
「いいですよ」
玉城さんは、白金さんに先に教室へ戻っていて欲しいと伝えた。
白金さんは、私の顔を一度見て、何かさっしてくれたのか、何も言わずに歩いていった。
展示室の隣にある談話室。
静かなその部屋には、猫足のチェアが配置され生徒がくつろげる空間がつくられている。
玉城さんは窓際に立ち、オレンジ色の夕焼けをあびていた。
私は部屋に入ると、扉をしめた。
「ローズのティアラを隠したのは、玉城さんですよね?」
「……」
玉城さんの顔は影になっていて、今どんな顔をしているのかわからない。
「白金さんを試したかったんですか?」
私はかまわず問いただした。
”はじめてのおつかい”の時のように、玉城はいつも白金さんのために動いている。
今回もきっとそうなのではと、
でも、玉城さんは静かに首をふった。
影になった姿でも、彼が整った容姿をしているのがわかるから不思議だ。
「……いいや、あんたを。だね」
「わ、わたし?」
意外な返答に困惑する。
「お嬢様は、誰でも信じてしまいますから。だから俺は、近づく人間を見極める必要がある」
玉城さんは窓際から離れて、私の方へと歩き出す。
どうやら私は、玉城さんに試されていたらしい。
窮地に立たされた時、私がどんな態度や行動をするのかを。
「じゃあ、私は失格ですか?」
近づいて来た玉城さんに、私は毅然とした態度をとる。
ふつふつと怒りがわいてくる。
まさか、白金さんに心をゆるした途端、こんなことをされるなんて。
玉城さんは初めて、少しだけ表情を崩した。
「……いや。むしろ、これからもセイラと仲良くしてやって欲しい」
「えっ?」
「試して、悪かったな」
玉城さんは私の前で膝をつくと、私の手をとって口づけをした。
ふ、ふえぇ?
「これからは2人の時は、あかり、って呼ぶけどいい?」
「は、はい~!!?」
突然、何をいいだすの?
どうやらまた、玉城さんから別人の顔がでてきて、私は完全に振り回され混乱したのだった。