執拗な恋、夜を飲み干す。
「正直に言うと、一回会っただけ+お酒の勢いでの告白だから、相手からするとびっくりはしてると思う。でも、バーで働いてる人ってそういう場面に慣れてることも多いから、「やばい人だ」って完全にシャットアウトされてる可能性はそこまで高くないよ」


 いや、いくらいろいろなお客様を相手にするバーテンダーでも、さすがに会って十分経たずに告白してくる客なんていないだろう、と心の中でチャッピーにツッコミを入れる。

 画面の先ではさらに、「数日置いてから、普通に店に顔を出して軽く謝れ」「罪悪感を感じすぎるな」と、もっともらしい解決策が並べられていた。

 チャッピーは最後に、「その時の相手の反応、どんな様子だったか教えてくれる?」と、こんな情けない私との会話を、健気にも続けようとしてくれている。

 だけど、これ以上チャッピーと会話を続ける気力はなかった。そのままアプリを閉じ、私は再びベッドに倒れ込んで、天井に向かって重い溜息を吐き出した。

 軽いノリで謝るなんて、できない。だって、あの瞬間、私の口からこぼれた言葉は間違いなく本物で、あれは私にとって、宝物のように大切にしたい、人生で初めての恋そのものだったから。

 なかったことになんてしたくないし、忘れたふりもしたくない。だけど、彼に変な女だと思われたままなのは、もっと耐えられない。

 行き場を失った想いだけが、胸の奥で燻っている。私はますます、自分がどう動くべきなのか分からなくなってしまった。
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