執拗な恋、夜を飲み干す。
 それからというもの、私は最低でも週に一度は必ずSABLEに顔を出し、同じ儀式を繰り返した。

 席に着く。玲さんを呼び出す。カシスオレンジを注文する。届いたグラスを一気に煽ると、一息に「好きです」と告げる。そして、ぴったりな料金をカウンターへ静かに置き店を去る。

 この一連の流れを、多い時には週に三回はこなした。おかげで、常連と自らも名乗れるほどには通い詰めた。

 あの黒髪の男性の名前も覚えた。雅《みやび》さん。彼は私の姿を見つけると、ひらひらと軽快に手を振ってくれる。そして彼がカウンターにいる時は、決まってわざわざ彼を呼び出してくれる。

 相変わらず雅さんには揶揄われるけれど、今の私はそんなこと露ほども気にしない。

 決めたのだ。彼に、一人の女性として意識されるまで、この告白を意地でも繰り返すと。

 迷惑だとはっきり言われるまでは、会えた日には、必ずこの想いを伝え続ける。
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