執拗な恋、夜を飲み干す。
「だけど、バーに通ってるうちによく周りを見てる所とか、笑顔が素敵な所とか、一つ一つの動きが綺麗な所とか…、見ていたら好きな要素しか無くて…!」


 語るうちに熱が上がり、顔が火照った。急にオタク特有の早口が出てしまった気がして、猛烈に恥ずかしくなる。


「あ、あの、付き合いたいとか、そんな風に思ってません! 勝手に好きだと伝えるのは…、知っていてもらえれば十分と言うか…。すみません、帰ります!」

「え?」

「すみません! ごちそうさまでした!」


 私は金額も確かめず、一万円札をカウンターへ叩きつけるように置くと、逃げるように店を飛び出した。

 毎回、進んでは逃げての繰り返し。相手の反応を待てばいいのに、それすら叶わない。でも、今はこれでいい。

 どう抗っても、この恋が叶わないことくらい分かっている。
 だから、私なりの進み方で、あなたに近づきたい。
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