執拗な恋、夜を飲み干す。
一歩踏み込むと、そこには先ほどまでのフロアとは遮断された、こぢんまりとした専用のバーカウンターが設えられていた。
「な、なんですか。ここ」
「VIP席みたいなもんです。意外と芸能人はここを使ったりするんですよ」
「へ、へぇ、そんなのが…」
店員ともかなり親しい様子で、玲さんは自分の店のように勝手を知り尽くしている。彼は迷いなくカウンターの内側に入り込むと、私に問いかけた。
「カシスオレンジにします? 他のノンアルコールとか、別のお酒も作れますけど」
「カシスオレンジで…」
いつもの癖で反射的に注文してしまい、ハッとして慌てて立ち上がる。
「あ、わ、私、自分で作りますよ!」
「経験がおありなんですか?」
「…いえ、ないです」
私のマヌケな返答に、玲さんはクスクスと、本当に楽しそうに笑った。そのあどけない笑い声に少し胸が鳴りながら、大人しく座り直すと、彼はいつもの慣れた手つきでグラスを準備し始めた。
「ここは、オレンジジュースで作るのでうちとは多少味が違うと思いますけど、こっちの方が飲みやすいかもですね」
そう言いながら、一分もしないうちに相も変わらずグラデーションが美しいカシスオレンジが差し出された。
「いただきます」
そっと一口、口に含む。確かに、果汁の甘みが強く、アルコールの角が取れていて驚くほど飲みやすい。
「な、なんですか。ここ」
「VIP席みたいなもんです。意外と芸能人はここを使ったりするんですよ」
「へ、へぇ、そんなのが…」
店員ともかなり親しい様子で、玲さんは自分の店のように勝手を知り尽くしている。彼は迷いなくカウンターの内側に入り込むと、私に問いかけた。
「カシスオレンジにします? 他のノンアルコールとか、別のお酒も作れますけど」
「カシスオレンジで…」
いつもの癖で反射的に注文してしまい、ハッとして慌てて立ち上がる。
「あ、わ、私、自分で作りますよ!」
「経験がおありなんですか?」
「…いえ、ないです」
私のマヌケな返答に、玲さんはクスクスと、本当に楽しそうに笑った。そのあどけない笑い声に少し胸が鳴りながら、大人しく座り直すと、彼はいつもの慣れた手つきでグラスを準備し始めた。
「ここは、オレンジジュースで作るのでうちとは多少味が違うと思いますけど、こっちの方が飲みやすいかもですね」
そう言いながら、一分もしないうちに相も変わらずグラデーションが美しいカシスオレンジが差し出された。
「いただきます」
そっと一口、口に含む。確かに、果汁の甘みが強く、アルコールの角が取れていて驚くほど飲みやすい。