執拗な恋、夜を飲み干す。
 一気に酔いが回った。私はほろよい一缶ですらまともに飲み干せないほど、お酒が弱い女だ。それなのに、あろうことかバーの本格的なカクテルを、あんな勢いで煽ってしまうなんて。

 理由は、ただ一つ。どうしようもなく緊張していたから、それしかない。何かがぷつりと切れたように、自分でも無意識のうちに、「好きです…」と、小さな声を漏らしていた。


「え?」


 聞き返すように、玲さんが少しだけ首を傾げる。その視線が私を捉え、初めて、まともに目が合った気がした。

 どうやら私は、アルコールの力を借りて、おかしな勇気を振り絞ってしまうタイプだったらしい。


「好きです!」


 今度ははっきりと叫んでいた。そしてなぜか、財布から掴み出した千円札をカウンターに叩きつけるように置くと、弾かれたように店を飛び出していた。

 そんな私の謎すぎる行動に、玲さんも、そして居合わせた周りの客たちも、言葉を失い唖然としていたことは言うまでもない。
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