執拗な恋、夜を飲み干す。
「…嫌です」

「…え?」


 玲さんの返答は予想にもしないものだった。


「俺は、これからもずっと一緒に居たいです」


 思わず唖然として言葉を失った。

 わからない。彼が今、どんな意図でそれを言ったのか。今の付かず離れずの関係が心地いいからなのか、それとも、本当に好意がそこにあるのか。


「前に話したと思いますが、俺が恋愛をするのが怖くなった理由は、明音を守れなかった事実があるからです。そんな俺が誰かを好きになって、もう一度恋をする権利なんてないと思ってました」


 何度も聞いた言葉。彼が自分を罰するように、後悔を抱えながら生きてきたこと。

 でも、私はそんな彼にこそ幸せになってほしかった。明音さんだってそれを望んでいるはずだとどこかで信じていたし、彼が心から笑える日が来てほしいと、ずっとずっと願ってきたから。


「だけど、もう誤魔化せないんです。きっと、紗希さんが初めて会って告白をしてくれたあの日から、俺は貴方に惹かれていて、それを認めるのが怖かったんです。また、同じことを繰り返したくなかったから」


 玲さんは私の手を握り、二度と離さないとでも言うように力を込めた。
 
 初めて彼の口から語られる、私への本当の気持ち。
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