指先で恋を伝えて


その横顔はどこか照れくさそうだった。

彩羽さんが、いたずらっ子のような瞳で、私に向って手を動かした。私も必死に読み取る。

「えっと、店、水曜、休み……」

定休日の確認をしているみたいだ。

「そう、店、水曜、休み、です」

と手話で返した。
すると、彩羽さんは、雅人さんに向って、さっきより全然早いスピードで手をひらひらと何かを言っている。
雅人さんも両手をひらひらさせ、それに答えてる。
所どころ、わかる単語はあるけど、何を言っているのか、わからなかった。

「あの、彩羽さんは、何て言ってます?」

「それが……水曜日、お休みが一緒だから、みんなでごはんに行きたいって……」

そう言いながら、雅人さんは眉尻をさげ、彩羽さんをチラリ見る。

「美織さんにも迷惑になるからと言ったけど、聞かなくって……。俺としては、迷惑じゃなければ、一緒に行けたら嬉しいんですけど」

「わ、私でよければ……!」

勢いよく返事をしてから、はっとする。
……今、絶対食いつきすぎた。
頬が熱くなる。

すると、雅人さんが小さく吹き出した。

「そんなに即答されるとは思わなかった」

「う……だ、だって、楽しそうだったので……!」

慌てて言い訳すると、雅人さんは困ったように笑う。
その横で、彩羽さんが満足そうに大きく頷いていた。
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