逃げられるものならお好きにどうぞ。
「ようし、それじゃあ全員集まったところで、乾杯しようぜ」
私の次に遅れてやってきた後輩の林くんが、どうやら最後の一人だったみたいだ。これで参加者全員が揃ったらしい。
幹事役の鈴木くんの音頭で、各々がジョッキやグラスを持って軽く掲げる。
「そんじゃあまぁ、明けましておめでとう! 今年も仕事頑張っていこうぜ! かんぱ~い‼」
「「かんぱ~い‼」」
グラスの中身を喉に流し込めば、外の寒さで冷えていた身体に、じんわりとアルコールの熱が広がっていく。
次々に運ばれてくる酒の肴になりそうな品を軽く摘まみながら、先日晴れて意中の彼と恋人同士になれたのだという三奈の惚気話を聞いたり、普段職場であまり話す機会のない先輩や後輩たちとの談笑を楽しんだりした。
そうすればあっという間に二時間が経過していて、ほろ酔い気分のままに店を出た。
真冬の冷たい空気が肌を差して、火照った身体の熱が少しずつ引いていく気がする。