逃げられるものならお好きにどうぞ。
「百合子、二次会は行かないの?」
「うん、私は帰るね。三奈は? 例の彼はいいの?」
「うん、今日も仕事なんだってぇ。でも、明日の夜は二人きりで過ごせるからいいの」
「そっか。良かったね」
「百合子こそ、もしかして二次会に参加しない理由って、例の彼氏が待ってるからなんじゃないの?」
「うん、まあ……」
「いいわねぇ、お熱いようで」
スマホを確認すれば、居酒屋の最寄りの駅で待っているという黒瀬くんからのメッセージが入っていた。
私も今終わったから向かうという旨のメッセージを送って、幹事役の鈴木くんに先に帰ることを伝える。
「それじゃあ百合子、また職場でね」
「うん、また連絡するね」
三奈に手を振って、二次会に向かう集団とは反対方向に足を向ける。