逃げられるものならお好きにどうぞ。
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「お、おわった……」
「香月さん、ずみません~……」
現在時刻は二十二時を過ぎている。
当然外は真っ暗だし、このフロアに残っているのも、私と佐々木ちゃんの二人だけだ。
今日は久し振りに定時で上がれそうだったから、お昼休憩のタイミングで黒瀬くんには連絡を入れて、仕事帰りにバーに寄ることを伝えていた。
久しぶりに会えることに、私は密かに浮き立っていた。
だけど、あと一時間で定時になるといったタイミングで、それは起こった。
「何だねこれは!」と――係長の怒声が私の耳に飛び込んできたのだ。