逃げられるものならお好きにどうぞ。


「……あの男の子たち、死んでないよね?」

「ふっ。それ、初めて会った日にも言ってたよね。死んでたら俺、捕まっちゃうからさ」



クスクスと微かな笑い声を響かせて、黒瀬くんは私の空いている左手を攫っていく。



「……ねぇ黒瀬くん、大丈夫?」

「ん? ……あぁ、手は使ってないから、汚れてないよ」

「ち、違うから! 私が聞きたいのは怪我してないかってことで……って、え? 手を使わないでって……それじゃあどうやって喧嘩したの?」

「どうやってって……この足で?」



そう言って、ショートブーツを履いている片足を軽く上げて見せてくれる。


――まさか複数人を相手に、足だけを使って勝ってしまったなんて。信じられない。

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