逃げられるものならお好きにどうぞ。
「……黒瀬くんってさ、何でそんなに喧嘩が強いの?」
「えぇ、そうだなぁ……。まぁ、昔はちょーっとヤンチャしてたからね。その過程でって感じかな」
「へぇ。それじゃあさっきの男の子たちも、その過程で知り合ったってこと?」
「うーん、全く覚えがないけど……もしかしたらそうかもね」
多分黒瀬くんが覚えていないだけで、確実にそうなのだろう。
さっきの鼻ピアスくんは、黒瀬くんの名前までしっかり言い当てていたのだから、それで人違いというのもおかしな話だし。
黒瀬くんは多分、自分にとって必要か不必要か、情報を分別するのが上手いんだろうな。
……それにしては、綺麗さっぱりデリートしすぎていると思うから、逆にそのせいで厄介ごとを増やしているような気もするけど。
以前街中で、黒瀬くんに声を掛けて、冷たい対応をとられていた女の子のことを思い出してしまった。
きっとあの子も鼻ピアスくんと同じように、本当に関わりがあった子だったんだろうな、って。