逃げられるものならお好きにどうぞ。


「四月の下旬頃なら、もう学生の春休みも終わってるよね。まぁ京都は年中混んでる気もするけど……ゴールデンウィークの前だから、観光客も多少は少なめなんじゃないかな?」



黒瀬くんがスマホを操作しながら言う。

有給はまだまだ残っているし、早めに申請しておけば、纏めて数日間の休みもとれるだろう。



「百合子さん。一緒に京都旅行、行ってくれる?」

「うん、行きたい! ……ふふ、楽しみだなぁ」



笑顔で頷けば、黒瀬くんも嬉しそうに微笑み返してくれる。



「清水寺の通りで食べ歩きもしたいし、色々な神社にも行ってみたいな」

「うん、全部行こう」

「それに、時期的にまだ桜も咲いてるかな? あ、あと一緒に着物を着てぶらぶらしたりするのも楽しそう」

「うん、それもいいね」



黒瀬くんは私の提案全てに、うんうんと頷いてくれる。

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