逃げられるものならお好きにどうぞ。
「それじゃあ俺は、百合子さんと一緒の…「ちょーっと待った! やるなら公平に、グーチーパーで決めるわよ!」
「えぇー……」
「スポーツする時くらい、ちょっとは百合子ちゃん離れしなさいよ!」
「百合子さん離れ? 何それ?」
「そのきょとん顔、ウザいから止めなさい!」
皆の浴衣姿を見て感心していれば、美代さんと黒瀬くんがチーム分けで揉めている声が聞こえてくる。
美代さんの提案に、黒瀬くんは不機嫌顔をますます顰めているけれど、今この場において美代さんに逆らえる人などいるはずもなく、結局は五人でグーチーパーをすることになった。余った一人は審判役になるらしい。
私としては審判役に立候補したいくらいだったんだけど、結果は――私と皇さんがパーで、黒瀬くんと美代さんがグー、萌黄さんがチョキという結果になった。
「えぇ、美代さんと? ……やだ。俺は百合子さんとペアじゃないと無理」
「そんじゃあ、オレと変わるか?」
「ワガママ言ってんじゃないわよ! 慎二さんも、甘やかさないでください! スポーツにそういう不正は厳禁ですから!」
――ゲームセンターでホッケーをした時も思ったけど、美代さんはこういった勝負事には人一倍熱くなるタイプらしい。