逃げられるものならお好きにどうぞ。


***


「嬢ちゃん、寒くないか?」

「はい、大丈夫です。……あの、すみません。私が足を引っ張ってしまったせいで……」



私と皇さんは、現在進行形で、二人で並んで京都の夜道を歩いている。

何故かと言えば、試合で負けてしまい、その罰ゲームで買い出しに行くことになったからだ。


ちょうどコンビニで買い出しを終えたところで、皇さんの片手には色々なお酒が詰まった袋があって、私の片手にはお菓子やお摘み類が入った袋がある。

重たい方の袋をサラッと持って軽い方の袋を手渡してくれるさり気ない気遣いから、こういった所もモテる要因になるのだろうな、なんて思った。



「はは、嬢ちゃんだけのせいじゃないさ。オレも椿に何度もスマッシュを決められちまったからな」



卓球が得意なわけでもない私は、当然美代さんに狙われてしまい、見事な空振りを何度も披露することになってしまった。

反対に黒瀬くんは皇さんばかり狙って打っていたけれど、皇さんは、ほとんどのボールをしっかりと打ち返していたように思う。


でも、こうやって私が気に病まないようにと気遣ってくれたり……本当に優しい人だよね。

美代さんがあそこまで惚れ込んでいる気持ちも分かってしまう。

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