逃げられるものならお好きにどうぞ。


「受け取れません」って、断ろうと思った。

だけど、私が口を開くよりも早く、皇さんは先手を打つかのように言葉を紡ぐ。



「俺の自己満足に付き合わせちまって悪いが、これは嬢ちゃんのために買ったものだ。美代には別にお返しを渡してるからな。嬢ちゃんがいらないってんなら、このまま捨てることになっちまうだろ? だから……迷惑じゃなければ、受け取ってくれねぇか?」



――そこまで言われてしまったら、このまま突き返すのも申し訳なく思えてくる。



「それじゃあ……有難く頂きますね」

「あぁ。ありがとうな」



何故かプレゼントをくれた皇さんにお礼を言われてしまって、私は少しだけ笑ってしまった。

そんな私の反応を見た皇さんは、優しい微笑みを浮かべている。その表情は、雰囲気は、普段よりもずっと柔らかいものに見えて。

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