逃げられるものならお好きにどうぞ。
「椿、アンタが手に持ってるのって、百合子ちゃんが付けてた……」
美代は、椿の右手からはみ出ている白い物に気づいて、思わず声を漏らした。
椿が握りしめていたものは、キーホルダーサイズの白いテディベアだった。クリスマスマーケットで百合子と買った、お揃いのものだ。
「……」
「おい、椿!」
慎二の制止の言葉も耳に入っていないのか、椿は脇目もふらずに駆け出していった。
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