逃げられるものならお好きにどうぞ。
(そうなる前に、何とか私一人で逃げ出せないかな……)
倉庫内は静まり返っている。耳をすませば、外の方から、微かに車の排気音が聞こえてくる。
でも人の気配はしないから、逃げ出すとしたら、今がチャンスだ。
まずは手の拘束を解けないかと、両手をもぞもぞと動かしてみる。
摩擦で縄が切れないかなと思って地面に擦りつけてみるけど、そう簡単にいくはずもない。
むしろ手の甲が地面に擦れて、ジクジクと痛みだす。この状況じゃ確認できないけど、絶対に血が滲んでいると思う。
(早く何とかしないと、誰かがきちゃうかも……)
この状況を打破する方法が見つからず、焦りばかりが募っていく。
――そんな私の悪い予感は、見事に的中してしまったらしい。