逃げられるものならお好きにどうぞ。
「嬢ちゃん! ……無事だったか」
皇さんも来てくれたみたいだ。
私の顔を見て、安堵した様子で微笑んでいる。
「あの、黒瀬くんのこと……止めなくても大丈夫なんですか?」
黒瀬くんが、というよりは……正直、相手の男の人たちの方が心配になってきた。
だって相手はすでにボロボロなのに、黒瀬くんの方は、その手を止める素振りがまるで見られないから。
さっき糸目の男性が言っていたように、黒瀬くんのことを冷酷だとか残忍だなんて思うことはないけれど……でも、その圧倒的な強さで徹底的に相手を制圧するっていうのは、本当のことだったみたい。
でも、これ以上続けたら、相手が本当に死んでしまってもおかしくはないし……早く止めた方がいいよね。
さっきまで男たちに囲まれていたことを思い出すと、少し怖いけど……震えそうになる足を動かして、椿くんのもとに向かおうとした――けれど、皇さんに止められてしまった。