逃げられるものならお好きにどうぞ。


背中から頭のてっぺんまで、何かがぞくりと駆けあがってくるような、おかしな感覚。

それが少しだけ怖くて、だけどそれ以上に、気持ちいいって感情が勝ってしまって。



「んっ……ふぁっ……」



鼻から息が抜けて、自分のものとは思えない甘ったるい声が漏れる。くたりと身体の力が抜けてしまった。

長い口づけから解放されたかと思えば、そのまま椿くんに横抱きにされ、寝室まで連れていかれる。



「百合子さん、緊張してるの? ……可愛い」



優しくベッドに下ろされたかと思えば、どろりと甘い笑みを浮かべた椿くんが、私の目尻にちゅっと口づけを落とす。

髪を撫でてくれるその手つきは優しくて、私を安心させようとしてくれていることが伝わってくる。

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